社会は、気づかないうちに分かれていく。
同じ時代を生きていても、見ている景色がまったく違うことがある。
学校、仕事、家庭、住んでいる場所。
どれも少しずつ違うだけなのに、その積み重ねが、
「分かり合えない距離」を生んでしまうことがあります。
最近、ニュースやSNSを見ていると、
怒りや対立、誰かを責める言葉が増えているように感じます。
「どうして、こんなにも分断が進んでいるんだろう」
パパはそんな疑問を抱いていました。
そんなときに出会ったのが、
『格差と分断の社会地図』という本です。
この本は、むずかしい理屈よりも先に、
「人の現実」を静かに、そして丁寧に教えてくれました。
📘 今回紹介する本はこちら
『格差と分断の社会地図』
『格差と分断の社会地図』が教えてくれること|分断は突然起きるのではなく、知らないうちに進んでいく
分断は、ある日突然起きるものではなく、
分断はいつも「気づかないところ」から始まる。
収入、家庭環境、性別、国籍、障害、年齢。
生まれ育った条件や、置かれた立場の違いによって、
人は少しずつ、違う現実を生きるようになります。
その違いは、最初はほんのわずかです。
でも、交わる機会が減り、話す場がなくなり、
気づけば「会ったことも、話したこともない世界」ができあがっていきます。
怖いのは、その距離が広がったとき、
相手の苦しさや事情を、想像できなくなってしまうこと。
「なぜできないのか」
「どうして頑張らないのか」
そんな言葉が、無意識に口から出るようになったとき、
分断はすでに始まっているのかもしれません。
この本は、格差そのものよりも、
格差によって生まれる“無理解”こそが、社会を分断する
という事実を、何度も静かに伝えてきます。
パパが『格差と分断の社会地図』から学んだこと|正しさよりも、想像する力が大切
人は、正しいと思った瞬間に、想像をやめてしまうことがある。
パパがこの本から学んだ、いちばん大きな気づきです。
人はつい、「正しいかどうか」で物事を判断してしまいます。
でも社会が壊れていくのは、
悪い人が増えたからではありません。
相手の現実を知らないまま、
自分の正しさだけで判断してしまう人が増えたとき、
社会は少しずつ分断されていく。
パパはそう感じました。
誰かを責める前に、
「この人は、どんな環境で生きてきたんだろう」
「どんな条件の中で、ここに立っているんだろう」
そう考えるだけで、見える景色は変わります。
パパ自身も、
知らず知らずのうちに、
自分の立場や経験を“普通”として人を見ていたことに気づかされました。
この本は、
正しくあることよりも、
想像し続けようとする姿勢そのものが、人をつなぐ力になる
と教えてくれた一冊でした。
想像するという視点では、こちらの記事も参考になります。
👉『お金のむこうに人がいる』書評|君たちに伝えたい“助け合いの力”
子どもたちへのメッセージ|分かり合えないと感じたときこそ、想像するチャンス
分かり合えないと感じたとき、それは失敗ではない。
むしろ、そこから学べることがたくさんある。
君たちが生きていくこれからの社会では、
いろいろな考え方、いろいろな生き方の人に出会うでしょう。
「どうして、そんな考え方をするんだろう」
「なんで分かってくれないんだろう」
そう感じる場面も、きっとあります。
でも、その瞬間こそ、
相手を否定する前に、少しだけ立ち止まってみてほしい。
その人は、君と同じ景色を見てきたわけじゃない。
同じスタートラインに立っていたわけでもない。
そう思えるだけで、心の距離は少し縮まります。
分からない相手がいるということは、
君の世界が広がるチャンスでもあります。
想像することは、優しさです。
そして、想像する力は、分断を止める力になります。
『格差と分断の社会地図』の魅力|現実を突きつけながら、希望を残してくれる一冊
この本のすごいところは、厳しい現実から目をそらさないことです。
楽観的な答えは出てきません。
簡単な解決策も示されません。
それでも読み終えたあと、
心に残るのは絶望ではなく、静かな希望でした。
なぜなら、
分断の原因が「無理解」だと分かれば、
理解しようとすることで、未来は変えられる
と教えてくれるからです。
社会はすぐには変わらない。
でも、一人ひとりの見方は、今日から変えられる。
この本は、そのことをそっと伝えてくれます。
行動への一歩|今日からできる “想像力を育てる” 3つの習慣
考え方を小さく変えることで想像力を育てられる。
今日からできる“想像力を育てる習慣”を3つ紹介します。
- 分からない人を、すぐに否定しない
「自分が知らない事情があるかもしれない」と考えてみる。 - 違う立場の話を、最後まで聞いてみる
理解できなくても、聞こうとする姿勢が大切。 - 自分の当たり前を疑ってみる
それは誰にとっても当たり前なのか、考えてみる。
この小さな習慣が、社会を分断ではなく、対話へ向かわせてくれます。
まとめ:想像する力を育てて、社会をつなごう
考え方に違いを感じても想像し続けよう。
『格差と分断の社会地図』は、
「誰が悪いのか」を探す本ではありません。
「どうして、分かり合えなくなったのか」
そして
「どうすれば、もう一度つながれるのか」
を静かに問いかけてくる本です。
君たちが誰かを理解しようとしたとき、
それはもう、社会を少し良くしています。
パパも完璧ではありません。
分かったつもりで、分かっていないこともたくさんあります。
それでも、この本を読んで、
「想像し続けよう」と思えました。
どうか君たちも、
違いを恐れず、分からなさから目をそらさず、
想像する力を大切に育てていってください。
それが、分断の時代を生きる、
本当の強さだと、パパは思います。
以上、
『格差と分断の社会地図』書評|パパからの本だより:君たちに伝えたい “想像する力が社会をつなぐ”
でした。
おしまい。
君たちへ
— 本だよりパパ(HondaYori Papa)
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